
💡 ざっくり言うともっともらしい言い方で人を追い詰める相手がいます。言われた側は自分が悪いのだと思い込み、少しずつ動けなくなります。ここでは、彼が何をしているのかという仕組みと、心をすり減らさないための3つの置き方、そして離れることを考えたほうがいい場合の目安をお話しします。
📋 目次
言われるたびに、少しずつ削られていく
彼と話したあと、いつも気持ちが重くなる。
言われたことを思い返して、自分がいけなかったのだろうかと考え込む。
そして気がつくと、ひとりでいるときがいちばん楽になっている。
好きだから別れられない。けれど、この関係は正しいのだろうか。そう感じている方は、少なくありません。
まず、はっきりお伝えします。それは、あなたが弱いからではありません。
彼がしていること
こういう相手のやり方には、二つの型があります。
ひとつめ:もっともらしいダメ出し
□ 「なんで時間どおりに来られないの。当たり前のことだよね」
□ 「なんで俺の友達と仲よくできないの。俺の顔をつぶす気?」
□ 「もう少し女性らしい格好をしたら。恥ずかしくないの」
厄介なのは、どれも一見、正しいことを言っているように聞こえるところです。
だから言い返せません。そして、自分が悪いのだと受け取ってしまいます。
ふたつめ:わざと嫉妬させる
□ ほかの女性とことさら仲よくしてみせる
□ 「会社にすごく可愛い子が入ってきて、誘われてるんだよね」と言う
これも、わざとです。あなたの気持ちを揺らすためにやっています。
なぜ、こんなに効いてしまうのか
ここが分かると、受け取り方が変わります。
彼のほうは、たいてい「自分は相手を大事に思っている」と本気で信じています。
ところが実際にやっているのは、自分の価値観を押しつけて、思いどおりにすることです。そして本人には、その自覚がありません。
たとえるなら
絵を描く仕事に就きたいと言っている子どもに、「絵では食べていけない。あなたのために言っているの」と言い続ける親のようなものです。
親のほうは、心から子どものためだと思っています。けれど子どもにとっては、押しつけでしかありません。
ですから、彼の言うことがどれだけもっともらしくても、こう受け取っておいてください。
「この人は、私を思いどおりにしたいだけなのだな」
できないのは、あなたの落ち度ではありません
彼の期待どおりに振る舞おうとしても、できない。あるいは、従うのが辛い。
それはあなたの個性です。
それを受け入れられない相手とは、単に合わないというだけの話です。あなたに落ち度があるわけではありません。
心を守る3つの置き方
そのうえで、日々をしのぐための置き方を三つ挙げます。
1 「正しいことを言われた」と受け取らない
言われた内容を検討しない、ということです。
中身を吟味しはじめた時点で、相手の土俵に乗ってしまいます。
内容ではなく、何のために言われているかのほうを見てください。
2 全身で受け取らない
傷つきやすい方は、誰に対しても心を全開にしています。
相手の言葉を全身で聞き、全身で応えようとする。これでは、どんなに丈夫な人でも疲れ果てます。
ですから、心が動きそうになったら、そこで閉じてください。
形にするとやりやすくなります。シャッターを思い浮かべて、彼の前でガラガラと下ろしてしまう。これだけでも、届き方が変わります。
3 役を決めて応じる
店員や営業の人は、仕事の顔に入っているとき、どんな相手にも笑顔で接することができます。
あれは冷たいのではなく、自分をまるごと差し出していないからできるのです。
同じように、素のままで向き合いすぎないこと。今は仕事の顔、と決めて応じる。それだけで、落ち込む量が減ります。
これは防具であって、解決ではありません
ここを、はっきりさせておきます。
いま挙げた三つは、ひとまず自分を守るための道具です。関係がよくなる方法ではありません。
身を守りながら耐え続けることが答えだ、とは申し上げません。耐えられるようになったから大丈夫、という話ではないのです。
守りを固めるのは、落ち着いて考えられる状態を取り戻すためです。そのうえで、この関係を続けるかどうかを、自分で決めてください。
離れることを考えたほうがいい場合
次のようなことがあるなら、心の置き方でしのぐ段階ではありません。
□ 物を壊す、壁を叩くなど、力を見せることがある
□ 身体に触れる形で止められたり、押されたりしたことがある
□ お金の使い道や、人づきあいを細かく管理される
□ スマホや持ち物を勝手に見られる
□ 何を言っても、最後はこちらが謝る形に必ずなる
□ 彼と会う前に、身体がこわばる・気が重くなる
ひとつでも当てはまるなら、その場で言い返そうとしないでください。まず、安全を優先してください。
相談できるところ
交際相手からの暴力も、相談の対象になります。ひとりで抱えないでください。
□ DV相談ナビ #8008(最寄りの相談機関につながります。交際相手からの暴力も対象です)
□ 配偶者暴力相談支援センター(各都道府県に設置されています)
□ 危険を感じたときは110番
離れたあとのことについて
距離を置いたあとで、相手の態度が変わることは確かにあります。
ただし、それを狙って離れることはお勧めしません。
変わらせるために離れるのではなく、自分がすり減らない場所に戻るために離れるのです。順番を間違えると、戻ったときに同じことが繰り返されます。
まとめ
要点を並べます。
起きていること
□ もっともらしいダメ出しと、わざと嫉妬させる言動の二つの型がある
□ どちらも、あなたを思いどおりにするためのもの
□ 本人にその自覚はないことが多い
□ 彼の期待どおりにできないのは、あなたの落ち度ではない
心を守る置き方
□ 言われた中身を検討しない。何のために言われたかを見る
□ 全身で受け取らない。心が動きそうになったら閉じる
□ 素のままで向き合わず、役を決めて応じる
忘れないでほしいこと
□ これは防具であって、関係がよくなる方法ではない
□ 耐えられるようになることが目的ではない
□ 力を見せる・管理する・必ずこちらが謝る形になる、なら離れることを考える
□ 交際相手からの暴力も相談の対象。DV相談ナビ #8008
ひとりでいるときがいちばん楽だ、と感じているなら。
その感覚は、無視しないでください。